カメラワークは、カメラを動かすテクニックです。フィックス(固定)、パーン(左右に振る)、ティルト(上下に振る)、ズーム・イン、ズーム・アウトなどがあります。それぞれのカメラワークには特徴があり、伝わる「効果」 も違います。カメラワークの効果については、色々なサイトに詳しく書いてあるので、ここでは、カメラマンが心がけるお手軽な撮影テクニックを紹介します。

撮影は、最低限カメラがあればできますが、見やすい映像にするために、三脚だけは使用するようにしてください。画面が揺れてないということだけで、圧倒的に見やすい映像になります。手持ちで撮影するとカメラを揺らさないことに意識を払うことになるため、被写体へ払う意識が低くなり、クオリティは下がります。

ただ三脚を使って撮影しても、むやみにカメラを動かしては、三脚を使っている意味がなくなってしまいます。撮影をしていると、つい色々なカメラワークをしてみたくなりますが、そこはグッと我慢して、動画の目的を達成するために必要なカメラワークだけを行うようにしましょう。

動画の目的を考慮しながら、被写体の動きや話の流れを確認し、どのようなカメラワークを、どのタイミングで行うのかを検討します。時間が許せば何度かリハーサルをすることをお勧めします。

カメラワークは、被写体の動きの変化(立ち上がる、座る移動を始めるなど)や会話の区切りなどをきっかけとして行うようにしましょう。リハーサルを行うことが出来ない場合は、事前にどのようなことを行うのかだけでも確認し、試写体の動きを予測してカメラワークを行います。

ただ何度も連続してカメラを動かすことは避けたほうがいいです。画面がずっと動いていると落ち着きのない印象の動画になってしまいます。(あえて落ち着かない印象を表現したい時は別です。)最低でも数秒間は、画面を固定した映像を撮影してから、再びカメラワークを行うようにしましょう。

また、カメラワークが遅れ、被写体がフレームからズレてしまった場合にも慌ててはいけません。被写体を追いかけて慌ててカメラを動かしてしまうと、画面のブレが大きくなり、その部分は使えない映像となってしまいます。 急なカメラワークにならないよう被写体の動きをゆっくりと追いかけて、フレームを調整するようにします。

≪おまけのテクニック≫

撮影の初めと、終わりには5秒程度ののりしろ(フィックス)をとるようにしましょう。

事例や手技の撮影などではカメラが回ってから、5カウント後に演技や手技を始めてもうようにします。演技や手技の終了後も直ぐにカメラを止めないで5カウント位回してからは止めるようにします。その間は被写体にも動かないようにしてもらいましょう。のりしろ部分があると、後の編集がしやすくなります。

臨床の現場などで、撮影の都合に合わせてもらうことが出来ない場合でも、のりしろ部分を作ってから、落ち着いたカメラワークで撮影することを心がけましょう。慌ててカメラを回して早く被写体を捉えても、フレームが安定していなければ、使える動画にはなりません。臨床などでの撮影では、どれだけ素早くフレームを決められるかがポイントとなります。